凄い資産運用 投資信託
この再生基金はリレーションシップ・バンキングの役割を果たします。
リレーションシップ・バンキングとは、一般的には「金融機関が取引先と緊密な関係を長く維持して顧客に関する情報を蓄積し、その情報をもとに顧客に円滑な資金の提供や融資などのサービスを行うビジネスモデル」と定義されています。
この定義を読んでもイメージがわかないかもしれません。
そもそも、これまでも金融機関と取引先はそういう関係だったのではないかと思う人もいるでしょう。
実は、これまで地銀や信用金庫などが行っていた地域密着型の業務を、金融庁が強化するようにわかに指導しだしたので、一斉にリレーションシップ・バンキングを掲げる金融機関が出てきただけなのです。
私の考えるリレーションシップ・バンキングとは、端的にいえば「適切なつなぎ資金を提供すること」です。
企業が再生途中で金融機関から融資を受けられない不安定な期間に、融資などの面でサポートするものだとイメージしてください。
そして、当社の再生基金が対象とするのは、債務超過に陥ったオーナーです。
多くのファンドは債務超過になっていないオーナーを選んでいるので、そこが大きな相違点です。
最終的には自宅買戻し資金の融資を行えるようにする予定です。
5年以内に経営者が自宅を買い戻す意思を表明したときは、買取りを優先します。
SPCに物件を売却した時点で、不動産は債務の池から時価で取り出されたことになります。
利用者が数年後に買い戻すときは、この売却した価格が基準になります。
任意売却と同様、抵当権がはずれた物件を売却時の時価で買い戻せるのです。
SPCに売却した代金は、すべて金融機関への返済にあてられます。
その後、金融機関に抵当権をはずしてもらい、残債はサービサーに売却という「無担保債権化→サービサー」の流れをたどるわけです。
つまり、SPCは抵当権のついてない物件で運営できるのです。
物件を管理する資金は、SPCが一般投資家と金融機関から調達します。
利用者は不動産の所有者ではなくなりましたが、SPCに家賃を払いながら物件に住むことも、事業所として利用し続けることも可能です。
数年後に資金が貯まった段階で買戻しを申し出れば、再び物件のオーナーになれます。
特定目的法人のこと。
不動産を所有し、そこから得られる収益を、税引前に投資家に分配する役割を果たす。
債務超過で苦しんでいる利用者は、物件のメンテナンスにまで手が回らないのが現状です。
その結果、空室が続く事態に陥ります。
基金に売却すれば、収益率を上げるためにメンテナンスを行いますので物件が持ち直します。
最終的には、メンテナンスが行き届いた、満室になった不動産を買い戻せるかもしれません。
自宅だけではなく、事業所や工場のような物件も賃借人として利用できます。
同じ生活をそのまま続けられるのは、家族にとっても企業にとっても大きな金融機関にノンリコース・ローンでの融資を頼んでいるので、不動産の審査をかなり厳しくしています。
確実に収益を上げられる物件を対象にしている分、賃貸料を高めに設定することも可能です。
買い戻さないという選択もあります。
その際は、SPCがその物件を第三者に売担保となっている不動産にしか債権者の求償権が及ばないローン。
担保物件を債権者に渡せば、残債に対する請求はこない。
さらに、サラリーマンなどの医療費負担が増え、患者数が減少して医療業界は大打撃を受けています。
Sさんのクリニックも例外ではなく、この3年間で収入がめっきり減り、金融機関への返済が苦しくなってきました。
2004年はじめに当社を訪れたSさんの不動産は、時価3億円の評価でした。
簿価が5億円になったままだったので、5億円の債務の池から不動産を取り出す作業が必要です。
家族の生活を守ることができ、またクリニックもこれまでどおりに営業できるので、申し分のない状況です。
しかも、5年後に晴れてオーナーに戻れるときは、抵当権のついていない物件を手に入れられるのです。
これが、当社がめざす、事業再生の完成形ともいえるスキームです。
では、もし再生基金がなかったらSさんはどうなっていたのでしょうか。
任意売却をしたくても協力者がみつからなければ、いずれ金融機関に自宅マンションを差し押さえられ、競売にかけられます。
同じマンションにクリニックがあるので、自宅も仕事場も同時Sさんは物件のオーナーではなくなった代わりに、SPCに毎月の賃料を支払い、そのまま自宅に住み、クリニックを使用することになりました。
それまで年に1800万円も金融機関に返済していたのが、自宅とクリニック合わせて年に480万円賃料を支払えばよくなりました。
また、連帯保証人にも金融機関の催促が及ぶと考えられます。
こうなると、最悪のパターンです。
Sさん一家だけではなく、連帯保証人の家族まで債務の渦に巻き込まれ、飲み込まれてしまいます。
任意売却を手がけている不動産会社に仲介に入ってもらったところで、結果は同じです。
引越し費用ぐらいは残してもらえますが、そのマンションでの生活を家族は奪われ、クリニックも営業できなくなります。
買戻しはおろか、賃借人として使い続けるのもむずかしかったでしょう。
Sさんのように、自宅と事業所が同じ建物内にあり、不動産の時価が高額な場合は、再生基金を利用するのが最善の策です。
家族を守るために、事業を守るために、そして連帯保証人を守るために。
再生基金は、悲惨な事件をこれ以上増やさないためにも、これからの日本に不可欠なシステムだと考えます。
そうなると、ほかの病院で勤務医として働くか、雇われ院長として給料をもらうことになるでしょう。
給料から莫大な債務を返済し、家族を養うのは至難の業です。
奥さんもパートに出るしかないでしょうが、卵代の手に職のない女性に果たして働き口がみつかるのか、疑問です。
再生基金は、いまのところ債務超過の経営者をサポートするのが目的ですが、それだけがすべてではありません。
私は、再生基金で日本の住環境も変えられると考えています。
狭い家に長期ローンを組んで住むという発想から、脱却するときが訪れたのです。
私は常々、日本は先進国でありながら、住まいにおいては後進国であると考えていました。
住まいに対する考え方が、あまりにも貧しいのです。
従来、日本はマイホーム至上主義であり、とくにサラリーマンはマイホームのために働いていたようなものでした。
ところが、マイホーム至上主義でありながらも、一軒の家に再生基金は日本の住環境も変える、長く住み続けるという発想はありませんでした。
加代は狭いアパートで暮らし、刈代でマンションを買い、仙代で一戸建てを建てる。
バブル期までは、ローンを組んでも地価が上昇し続けていたので、マンションを売ったおカネで一戸建てを建てることも可能でした。
クルマや洋服を着替える感覚で家を買い換え、その結果、安易に建物を壊すスクラップ&ビルドの発想が生まれてしまったのです。
ところが、バブルが弾けたと同時に住宅の買い換えは夢物語となりました。
いまではマンションであれ、一戸建てであれ、最初に買った不動産が「終の棲家」となるのを念頭に置いておかなければなりません。
産業廃棄物の問題も取りざたされ、日本でもスケルトン・インフィルが注目されるようになりました。
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